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2010/7/19 川村学園女子大学 上橋菜穂子教授 特別講演 レポート

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    川村学園女子大学上橋菜穂子教授 特別講演 のレポートをティーツリーさまよりいただきました。ありがとうございました。


    2010/7/19 川村学園女子大学
    上橋菜穂子教授 特別講演

    「飛び越えていく物語
    ―本からアニメに、そして世界へ―」

    会場には、家族連れ・学生・20代〜50代くらいの男女が150人くらい集まっていました。
    遠方から参加なさった方もいるそうです。
    (当日は、大学のオープンキャンパスが開催されていました)

    そして、上橋先生ご登場。
    ご本人曰く「とても珍しいスカート姿」(いつもはパンツスタイルが多いそうです)で教壇に上がられました。(でも、スカート姿もよくお似合いでした☆)

    以下、講演内容を箇条書きで綴りたいと思います。

    (1) 子ども時代の話
    ・子どもの頃から男の子っぽくて、よく相撲をとっていた。
    ・周りの女の子が、アニメ「ひみつのアッコちゃん」に夢中だった頃、自分は「風のフジ丸」「スーパージェッター」に夢中だった。
    ・『指輪物語』、『ツバメ号とアマゾン号』、サトクリフの作品をよく読んだ。
    (岩波少年文庫の新刊『ツバメ号とアマゾン号』[新訳版]の解説を書かせてもらって、とても嬉しかった、とおっしゃっていました)

    (2)様々な<壁>を越えていく物語
    ◆男女の壁
    ・自分の作品には中年男性のファンも多い。→子どもの頃から男の子が好むような物語が好きだったので、物語の内容が「性」を越えているからかもしれない。
    ◆年齢の壁
    ・ファンレターも幅広い年齢層からいただく(小学2年生〜84歳の女性)
    ・先日、作家の小川洋子さんがラジオ番組で、『狐笛のかなた」は子どもの本とは思えなかった、とおっしゃっていて、とても嬉しかった。
    ・受け手の経験の差などによって、受け取り方はそれぞれ異なる。子ども時代にわからなかった内容が、大人になってからわかるようになることもある。逆に大人にはわからないけれど、子どもにはわかる作品もある。本当に優れた児童文学とは、もしかしたら、子どもの時にしか受け取れないものが書かれている作品かもしれない。自分は「子どものための物語」を書いているわけではなく、「大人のための物語」を書いているわけでもない。ただ、<物語>を書きたいと思っている。

    ◆文化の壁
    ・オーストラリアを初めて訪れたとき、現地の人たちがあまりに日本について知らないことに驚いた。(教室には何人忍者がいるのか?
    みんな本当に黒い髪をしているのか?などと訊かれたことも)
    ・文化の壁(言葉の壁も含めて)があるから、日本の作品は海外には出て行きにくい。日本の絵本は、言葉が少なくて絵だけでも伝わるから海外でも評価が高いが長い物語はそうはいかない。
    ・先日、上野の国際子ども図書館で、翻訳者平野キャシーさんと対談させていただいた。『精霊の守り人』『闇の守り人』のアメリカ版の訳者であるキャシーさんは翻訳で苦労なさった。
    (=欧米には「殺気」などの「気」を表わす言葉がない/英語では必ず主語を書かなくてはならないので、困ることも出てくる。例えば、チャグムがトロガイ=女性だと知って驚く場面があるが、その場面の前に、トロガイの性別を特定できないような主語にするには、どうするか、など)
    ・翻訳とは、「文化の壁」を越える作業でもある

    ◆映像の壁
    ・アニメ化裏話
    ※「この話はネットには書かないでねー!」と上橋先生がおっしゃっていたので、
    省略させていただきますねm(^^;)m

    (3)物語が生まれるとき
    ・映像が突然振ってくる。映像というより、その世界の中に入っている感じ。音や匂いまで感じる。
    ・世界観や地理などは設定せずに、1行目からいきなり書き始める。
    ・浮かんでくるものをデッサンする感じ。
    ・近代文学では<人>が描かれているが、自分は<人>ではなく、<世界の中に生きている人々や生き物が紡ぎだしていくもの>を書きたい。だから、小説というより<物語>を書いているという方がしっくりくる。テーマではなく、<物語>そのものが先に心の中に生まれてくる。世界は、人のために存在するのではない。主人公が生きている舞台としての世界を書くのではなく、人々も森羅万象も等質な存在としてある世界を描きたい。そうした世界と人との関係に興味がある。
    ・人類は大昔から連綿と物語を紡ぎだしてきた。物語を産まなかった文化はない。私が書いている<物語>は、そういう人類が大昔から語ってきたものに骨格が似ているかもしれない。だから、文化の壁を越えられるのかもしれない。

    (3)『獣の奏者』について
    ・よく「王獣は、核兵器を表わしているのですか?」と質問されるが、王獣は王獣で、核兵器のことではない。「戦争はダメ」とか「人とはこうだ」ということについて書いているつもりも全くない。
    ・歴史は100パーセント次に伝わるものではない。人が伝えていくものは、伝わらないこともあるのだ、ということを、エリンの物語では描いている。
    ・「ベルリンの壁」というと、ツルハシで壁を壊している生々しい場面が目に浮かぶ世代もいれば、まだ生まれていなくて、その場面を知らない世代もいる。歴史には「生きている歴史」と「文字の中の歴史」がある。

    など、お話してくださいました。どのお話も、とても興味深い内容でした。

    講演会の後は質疑応答タイム。時間を延長して、たくさんの質問に答えてくださいました。
    質疑応答は聞き入ってしまって、メモをとらなかったので、
    うろ覚えなのですが・・・・

    ・物語が生まれる時(=体感を伴った映像がうかぶ時)には、どんな感覚になるのか?
    ・身近ではどんな人から影響を受けたか?
    ・登場人物の名前の決め方
    ・『蒼路の旅人』に出てくるサンガル特有の高床式の建物は、インドネシアあたりの建物を想定しているのか?
    ・作家としての活動と、教職者としての活動を並行する中で、どうやって切り替えしているのか?

    などの質問があったと思います。

    質疑応答の後は、エサル師を髣髴とさせる凛とした佇まいの学科長先生が登場。上橋先生のお人柄などについてお話してくださいました。
    そして、なんと、この日はオープンキャンパスということもあり、
    上橋先生の研究室を見学させていただくという機会に恵まれました!「希望の方はどのくらいいらっしゃいますか?」の問いに、参加者のほとんどが挙手。(それはそうですよね:笑)希望者多数なので、グループにわかれて、先生の研究室にお邪魔させていただきました。

    先生のお部屋は、書棚に著作や資料がズラリと並び、アボリジニの絵画やブーメランなどがありました。

    すべてひっくるめて本当に素晴らしい講演会でした。


    【講演会に参加して(私の感想)】

    私が先生の講演会に参加するのは、今回で2回目なのですが、先生の講演会からは、毎回パワーを分けてもらったような感じを受けます。「<物語>のエネルギーの源」が先生から溢れてきて、こちらまで流れ込んでくる感じで・・・。お話もとてもテンポ良く、楽しくて本当に引き込まれました。

    質疑応答では、私も質問したいことがあったのですが、小心者ゆえ、ああいう場所では発言できなくて、それが心残りです(^^;)いつか、勇気を出して質問させていただきたいものです。

    今回の講演会は、先生のホームグラウンドである大学で開催されましたが、川村学園女子大の学生さんが羨ましくなりました。私も生徒として先生の授業を受講してみたいです。
    (でも、平成生まれの中に混じったら、私は確実に浮きます(笑))

    ちなみに、10月の川村学園女子大学の学園祭でも、上橋先生の講演会が開催されるそうです。詳細は、大学のHPに8月中旬頃に掲載されるとのことでした。

    先生には幸せな時間をありがとうございましたとお伝えしたいです。

    長文になってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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    千葉そごう三省堂サイン会報告 のぶさん

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      のぶさんから千葉そごう三省堂サイン会報告をいただきました。文末には上橋さんへのおススメミュージシャンも紹介されています。
      のぶさん,ありがとうございました。
      千葉そごう三省堂サイン会報告

      さる4月27日、千葉での上橋さんのサイン会に参加してきましたのでレポートさせていただきます。

      会場はそごう千葉デパート9階三省堂書店隣のイベントスペース滝の広場。本当に人口滝が流れている天井採光の明るい、とても気持ちの良い場所でした。
      そごうもとてもデパートらしい立派なデパートで、日本橋三越や高島屋を思い起こさせるいっそ懐かしい雰囲気の店舗です。

      自分が着いた頃には結構人が集まっていて以前、上橋さんのサイン会などでお会いしたことのある方達もいらしていて、すっかり顔なじみです。
      イベント開始時間には80席のイスは埋まり、立ち見の方も出て140名ほどが集まったそうです。

      定刻に上橋さんが登壇されてトーク10分、質問コーナー20分、その後サイン会という進行でした。

      トークは長編しか書けないと自覚し、言い続けても来た自分がなぜ今回、短編集を出したのか、が中心でした。
      初めて書かれた短編が「ユリイカ」に掲載された「ラフラ」だったそうです。
      ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、守り人のアニメ化とそれに伴う猛烈な忙しさにあった上橋さんの状況が、結果的に今回の短編集につながったのだと私は思いました。

      質問コーナーでは、何でバルサは剣でなくて短槍を使っているの?、独特の言葉はどこから出てくるの?、キャラクターにモデルはいるの?、もう守り人の続きは書かないの?、といったサイン会や講演会に参加されたことのある方ならおなじみの質問がありました。
      このあたりについては偕成社さんの守り人&旅人スペシャルページのコミュニケーションボード過去ログで、上橋さんが同じものや様々な質問に答えられているでそちらを参照していただければと思います。

      その他、作家になるにはどんなことを経験すればいいの?、もっとも執筆に苦しんだ作品は?、書くのにツマッたときの気分転換法は?という質問もありました。

      サイン会では前日の池袋でのサイン会で時間がかかってしまったので、写真撮影は機種毎に使い方の違う携帯電話はご遠慮願い、デジカメのみで。またサイン会に来てもらった方の名前併記も控えさせてもらう、という形式になりました。
      スタッフの方達も苦心されて、よいイベントにしようと工夫されています。

      私はサインの順番が2番目(!)で、ちょっと慌ててしまいましたが、これもまた経験ですね…。千葉市まで遠くなかった?、とお話させていただき、執筆にツマッた時に聞く音楽のオススメミュージシャンの名も挙げさせてもらいましたが、忘れてしまいそうなので掲示板に書いておいてくれたら、ということなので、最後に追記させていただきます。

      他の方にサインしている上橋さんを、顔なじみの方達と拝見していましたが、どなたにもにこやかに話しかけられる姿にいつもながら頭が下がる思いでした。

      私はそれですぐに帰りましたが、とても気持ちの良いイベントでした。上橋さんはじめスタッフの方々、お話さていただいた私以上に守り人愛あふれる(!)ファンの方々、ありがとうございました! またの機会をいつか!



      追記

      上橋さんにオススメしたミュージシャンは、馬場俊英(ばばとしひで)という方です。

      現在41才。1996年にメジャーデビューし、3枚のアルバムと7枚のシングルを出すも、2000年にレコード会社 との契約が終了。インディーズでライブ活動を行いつつ自主レーベルを 立ち上げ、3枚のアルバムとシングル1枚をリリース。地道な音楽活動が大阪地方を中心に反響を呼び2005年、デビュー 時のレコード会社と再契約、メジャー再始動を果たす。これを指して「再チャレンジの星」とも呼ばれる…。

      初めて聞くのにどこか懐かしいメロディ、当たり前の言葉でつづられた歌詞。日々の暮らしや、その中で変化していく心、オトナになったけど何かをあきらめたくない気持ち、そんな唄が馬場俊英と同年代のオトナ達を中心に支持され、各地のライブのチケットはすぐに売り切れてしまう。

      代表曲「スタートライン」で2007年紅白歌合戦に出場。現在も精力的にツアー活動を行っており、今年5月25日には東京・日比谷野外音楽堂で、これまでの集大成ともいえるコンサートを予定している。

      初めて聞くのにオススメはメジャー再始動作の「BOYS ON THE RUN4SONGS」。
      タイトル通り4曲入りで聞き応えがあり、入門編としても最適です。
      このシングルを含むいくつかの楽曲、アルバムはiTUNEミュージックストアでダウンロード購入でき、30秒の試聴も出来ます。
      このシングルを聞いて他にも、と思われたら、アルバム「人生という名の列車」、「青春映画が好きだった」をオススメします。

      また、オフィシャルサイトを通じてほとんどの楽曲の試聴が可能です。なお、Amazon.jpでは全アルバムが4~13%の割引価格で購入できます。

      オフィシャルサイト
      http://www.babatoshihide.com/top.html

      私が好きな唄は、…ほとんどの唄が好きなのですが、9分の大作「人生という名の列車」、聞くものの胸を締めつけずにおかない「鴨川」を挙げておきます。
      馬場さんの誠実そうな人柄と容貌をみていると、タンダって、こんな感じ少し入っているかもと、勝手にですが思っています。

      気分転換に聞くなら、お書きになるものからずっと離れているものがいい、ならば馬場俊英を聞いてもらいたいと思いました。

      出来れば、よき音楽との出会いにならんことを願っています。

      以上
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      「『精霊の守り人』スペシャルトークショー」レポート 茜さん

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        茜さんにイベントの感想をいただきましたので掲載します。以下茜さんにいただいたものです。茜さん,ありがとうございました。

        5月6日、大阪NHKホールでの、『精霊の守り人』スペシャルトークショーに行ってまいりました。
         ちょっとでも会場の雰囲気をお伝えできたら、と思い、レポートさせていただきます。

        まず、会場に入って驚いたのは、OPとEDと「ナージの歌」がエンドレスで流れる中、500インチの大画面いっぱいに、守り人キャラが映っていたこと。

        ポスターやオフィシャルサイトでおなじみの、あの画像と似ているのですが、ちょっと違っていました(チャグムの顔は同じだったのですが、シュガやジグロが正面向きの顔になっていました)。配置も少し違っていて、ちょっといいもの見たな、と思いました(^^)

        時間になると、会場がすぅっと暗くなり、大画面に、第1話から4話までを辿りながらの、「守り人」の大まかな紹介が映し出されました。
         アニメ放送が始まる前から、番宣用に放映されていた映像に、ちょっと画像が付け加わったような感じでしょうか。

         それが終わって、司会の方の挨拶が済むと、いよいよ上橋先生と神山監督の御登場! お二人の短いトークの後、第1話から5話のダイジェストが画面に映し出されました。

        今まで見たことのある映像なのに、大画面だとすごい迫力で、また、見逃していたような細かい描き込みにも気づいたり。

        結構、詳しく筋を追っていて、アニメを見たことがない人でも、何となく「守り人」の雰囲気を掴むことができたのではないでしょうか。

        「もっと俺を頼れよ!」と叫ぶ(そして拗ねる)タンダや、笠を放り投げる狩人さんたちなど、おいしい見所はきっちり入っていたように思います。

        ダイジェストの後、また先生と監督のトークが続きました。
        ・原作者として、アニメ化をどう思っているか。
        ・アニメのどこのシーンが好きか。
        ・アニメで描きたいこと、描いてほしいことは。
        ・『攻殻』とは違う、『守り人』の戦いの描き方の難しさ。

        ・実在しない「短槍」という武器を使って、いかにリアリティをもった戦闘シーンを作っていくか。
        ・原作に書いていないところを、どう補うか。

        「ネタバレ禁止令」のため、内容は詳しく書けませんが、このトークの中で、「ヨゴ刀には鍔がない」という話題が出て、それについての話が、とても興味深かったです。

        単に「見た目がかっこいい武器」を描くのではなくて、武器の性格や、それによって生み出される戦法のことまで考えてあるのだと知り、改めてアニメ「守り人」の深さを思い知りました。

         そして、このトークのあと、この前の『精霊の守り人徹底研究』や『にんげんドキュメント』の映像を編集しなおしたような内容の映像が、5分ほど流れました。製作現場のドキュメントです。

         そして、またトーク再開。
        ・アニメで一番大切に描きたかったこと。
        ・原作には無い、でも「確かにあったのだ」と思えるエピソード作りのこと。
        ・原作とイメージが違う「唇ツヤツヤ・皺なし・巨乳」なバルサも、間違いなく「バルサである」――アニメバルサの声、態度、覚悟は、確かにバルサのそれである、という話。

        ・神山監督の「アニメは全てを記号でしか表現できない」という話。
        ・声優さんを選ぶ際の、決め手となった台詞のこと。

        記号論、なんて話まで出てきて、どれだけキャラが深く作りこまれていたのか、初めて知りました。ひとつひとつのエピソードが、人物像を膨らませるために、いかに効果的に配置されているのか、ということも。

        深く深く、研究されて作られているんだなぁ、と改めて思わされました。アニメスタッフさんたちの並々ならぬ努力が伺われ、自然と頭が下がる思いでした。

         そんな諸々のトークがあって、先生と監督のトークは終了。
         お二人が退場され、アフレコ現場の映像(『徹底研究』でやっていたのとほぼ同じ?)が流れ、声優さん3人の御入場。
         それぞれの役作りの話などを軽くしたあと、いよいよアフレコ実演。

        実演されたのは、1、3、4話のワンシーンから。
        ・バルサと二ノ妃の会話シーン(「皇子を引き受けましょう」あたり)
        ・手傷を負ったバルサが、チャグムを背負って山道を登る途中、倒れてしまうシーン
        ・チャグムがタンダの小屋の周りの池(?)に落ちて溺れかけ、タンダに助けられるシーン

        ・目を覚ましたバルサの包帯と薬を、タンダが取りかえるシーン(「やめな、くすぐったい」あたり)

         さすが、プロ。
         声と映像が、ひとつになる瞬間を見て、言いようのない感動を覚えました。
         あと、「こちょこちょ」という、辻谷さんのアドリブが面白すぎました(笑)。どこのシーンか、想像つきますよね?



        演技しないように演技して、自然体で演じたい、と辻谷さん。

        キャラクターを美化しすぎず、地に足がついたバルサを演じたい、と安藤さん。

        チャグム役の安達君は、「そんなことないですよ」と言いつつも、すごくしっかりしていて、質問にも如才ない受け答えをしており、まさに「リアルチャグム」でした。
         

        声優さん3人の退場の後、ED『愛しい人へ』を歌っておられる、タイナカサチさんの御入場です。

         ピアノを弾きながら『彩雲国』のEDだった『最高の片想い』を熱唱されて、ちょっとトーク。(これは自己紹介的で、本当に短かったです。)
         そして、『守り人』エンディングの『愛しい人へ』。

        大音量に包まれて、陶然と聞き入りました。

        本当に、高音域がきれいに出る方ですね。人間の声が、ここまで表現できるんだ、ということに、感動を覚えます。

        歌が終わると、この歌に込めた思いなどをタイナカさんが語られました。

        「また前を向いてがんばろう」という思いを込めたという、この歌。この日、初めて2番の歌詞を聞いたのですが、チャグムの「想い」がひしひしと伝わってくるような、素敵な歌詞でした。

        タイナカさんが一旦退場されたあと、ゲストの方6人全員が出てこられて、一列に並んでトーク。
         プレゼント抽選も行なわれました(入場のとき、抽選番号が渡されていたのです)。当たった人は、今回のゲスト6人分のサインが入った、アニメのポスターがもらえるそうです。(いいなぁ)



        そして、再びトーク。

        アフレコのときのこぼれ話や、続編を作る予定は?などの話の後、最後に、ゲストの皆さんが、このシリーズへの思いを一言ずつ語られました。
         皆様、当たり前ながら、すごく思い入れを持ってらっしゃるのが伺われて、すごく嬉しかったです。

        そして、どなたも一様に「アニメを楽しんでほしい」という思いを持っていらっしゃいました。――製作する側からも、「守り人」は深く愛されているのですね。

        ゲストの方が退場されたあと、アニメ第6話の先行放送がありました。

        さっきの「最後に一言」のとき、神山監督が、絶妙のタイミングで、「これから見ていただく第6話では……」と口走ってしまっていたので、サプライズにはなりませんでしたが。(打ち合わせてあったのかと思うくらい、ちょうどよいタイミングでの発言でした 笑)

        アニメ第6話の感想は、まだ放送されていないから書けませんが、とりあえず、大画面でシュガさんが見られて、私は幸せです(笑)

        テレビで放送されたら、改めてじっくりと見たいです。

        たった2時間のイベントでしたが、内容が盛りだくさんで、とても充実していました。

        上橋先生をはじめ、ゲストの皆様には関東方面からわざわざ来ていただき、本当に感謝しています。ありがとうございました。

        素晴らしい、思い出に残るイベントになりました。




        *追記

        原作「守り人」を愛してきたファンとして、「守り人」アニメ化のニュースを聞いたときは、喜びながらもいろいろと懸念を抱いたものですが、今思うと、杞憂だったと思えます。

        だって、これほどまでに、「守り人」は愛されて育っていっているのですから。

        アニメになっても、「守り人」が、変わらず愛されていることを、すごく嬉しく思い、私たちは幸せなファンだと思いました。

        ところで、今回掲示板で「行きます」宣言していた方とは、イベントが始まる前に、無事にお会いできました。「赤いスケッチブック」は、やはり役に立ちましたね。

        皆で集まり、ロビーで「守り人」トークを繰り広げました。こうしてオンの方と実際にお会いしておしゃべりできることは、普段なかなかないことなので、とても楽しかったです。

        イベントが終わった後も、おしゃべりにお付き合いくださった方々、ありがとうございました!

        おまけに。

        最後のトークのとき、アフレコの話になり、上橋先生が
        「『呪術師』とか、みんな言いにくそうにしているよね」
         と発言されたとき、ゲストの皆さん一様にうなずき、その話の流れの中で、安藤さんが、

        「シュガさんとかもね」

        とおっしゃったのを聞いて、私は思わず噴き出しました。

        シュ、シュガ「さん」!
         一部ファンの間では、「さん」付けで呼ぶのがもはや習慣になっているシュガさんですが、まさかバルサ役の声優さんまでもが、シュガさんを「さん」付けしているなんて……!
         やはりシュガさんは「さん」付けよねー、と、シュガさんファンの私は、変なところですごく嬉しくなりました。


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        天と地の守り人「ロタ編」刊行記念 上橋菜穂子トーク&サイン会レポート のぶさん

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          のぶさんにレポートをいただきましたので,掲載いたします。のぶさん,ありがとうございました。

          2006年12月9日、10日にあった上橋菜穂子さんのイベントに行くことが出来ましたので、簡単にレポートさせていただきます。


          天と地の守り人「ロタ編」刊行記念 
          上橋菜穂子トーク&サイン会
          東京・銀座教文館6階ナルニア国  12月10日14時〜

          ボーナスサンデーとあって師走の銀座は大にぎわい。昨夜は1人で行きましたが、今日は
          せっかくの銀座でもあり、私のかみさんと一緒に行きました。
          ナルニア国(教文館の児童書フロア)入り口は守り人はじめ上橋さんの著作がすべてそろえられ、イベントのPOPもあり、書店側の意気込み、というか喜びぶりが伝わってきました。少し時間があったので店内を物色していたら、天と地ロタ編を持って、誰かを探しているらしい上橋さんが横を通っていって、ビックリしました(笑)
          トークの会場はフロアの一角に小さなイベントスペースがあって、そこで行われました。普段は絵本原画が展示され、このときも「アンナの赤いオーバー」という絵本の原画が展示されていました。そこにみっちりと40人が入りました。男女比は9対1ぐらいでしょうか。自分一人だけ男ではなかったです。年齢層も前日同様、幅広いものでした。
          スペース前方にはなぜか大きな液晶テレビがあり、何で?という感じ。

          しばし絵本原画など見ながら待ち、上橋さん登場。
          天と地の守り人刊行記念のトークだけれど、何せまだこれから2冊出るしネタバレが出来ないので、守り人の成り立ちからどのように書いていったか、そしてアニメ化の話と、質問コーナーを、とのこと。
          まずテーマありきだったデビュー2作からの転換、鮮烈にキャラクターが頭に浮かび、同時に物語も動き出した「守り人」。「虚空の旅人」が物語世界の広がっていく大きなきっかけになったこと。バルサとチャグムの人物造形の差、「蒼路の旅人」から間が空いた訳、そしてアニメ化のこと…。と、ここで先の液晶テレビの出番です。
          なんと、11月のNHKのイベントで流されたアニメ守り人の5分の映像を1分半に編集したものを流していただけたのです。映像を息を呑んで見てしまいましたが、衝撃的だったのは最後に、来春よりNHK BS−2で放送開始!のテロップが出た時、「BS?」「BS!」「BSか」「契約しなくちゃいけないの」(ホントに聞こえた)など、衛星放送で放送されることを知ってショックを受ける人の声をリアルに体験したことです。自分もこのことを知った時は同じでした。いや、案外まだ知られていないものです。
          流された映像は現在、アニメ守り人のサイトで見られるものと同一で、プロモーション色が強く、イベント、あるいは電車内用CMとして使われそうな感じと、かみさんは推測してました。(1分半は山手線の一駅分の時間。山手線には液晶モニターがある)

          この後、質問タイムになりました。定番の、独特の言葉はどうやって考えるの?に始まって、文化人類学系の本はもう書かないの?、アスラはまた登場するの? 、までいくつかあり、もう掲示板に書かれた方がおられましたが、バルサ役の声優の安藤麻吹さんが質問、というか挨拶をされました。役が決まってから原作を読み好きになり、今日は一参加者として来たけれど、アニメの話も出たので、どうしても一言、という感じでした。ロングヘアーのりりしくも美しい方で、この人がバルサなら安心かと。なんの仕込みもないサプライズだったので、上橋さんも驚きつつとても喜んでおられました。
          あとの質問は書けないのが多いです…!
          私も質問をさせていただきました。「隣のアボリジニ」の主人公ともいえるローラさんは今もお元気か? 上橋さんが作家であることやアニメの話などをアボリジニの方たちにも話されているか、していたらどんな反応をされているか。
          これはお答えを書いておきたいと思います。ローラさんは今も元気。ただ彼女のお姉さんが亡くなられて、とてもつらかったこと。作家活動のことも話しているけれど、女用心棒の話、といってもイメージが湧かないらしく、なにそれ?という反応をされる。
          本で喜ばれたのはやはり「隣のアボリジニ」、自分の名が日本語でこう書いてあるとか他の人に見せたりしている。アニメ化のことも、フーン、くらいの反応だとか。ただ、いつか映像で自分の物語を見せられるようになりそうなのは楽しみだ、とのことでした。

          守り人がこんなに長く読まれるとは思っていなかった。出版から10年というと、小学生で読んだ人が、大学生になっていてその分、自分も年齢を重ねたのだと思わずにいられない。これだけ長く読まれていると、それぞれの人の中に色々な守り人像が出来てきて、松明から松明へ灯が移っていくような感じではないか。そのひとつがアニメの監督の神山さんの松明に灯り、アニメの守り人になっていくのだと思う…。
          最後に上のように上橋さんがしめられ、トークは終わりになりました。

          サイン会に移行して、店内に戻ると来たときよりも混雑していて、サイン会に来た方が大多数だったようです。
          私はかみさんと一緒にご挨拶できたのがとてもうれしかったです。上橋さんにもわざわざ席から立ち上がって歓迎していただき感激でした。夫婦連名でサインをいただけ、とても良い記念になりました。
          その後は混雑していたこともあり、早々に会場を後にしました。こちらの掲示板の常連の方もきっといらしたと思うのですが、誰が誰やらだし、あの混雑だとちょっと無理でした。
          自分たちが会場を後にしたのは午後3時20分でした。

          かみさんは、本を読んでいて無国籍っぽいのに読み終わると日本、という感じがして不思議だったけど今日、お話を聞いていてなぜだかよくわかった、といっていました。

          この日のトークではここだけの話がたくさんあり、実は書けないことの方が多いくらいになったのが印象的です。よく聞けばうなずける話なのですが、言葉尻だけとらえると大変な誤解をうみかねない。ややこしいですね。

          ジュンク堂、教文館の皆様、素敵なイベントをありがとうございました。そしてとてもとても忙しい中、それを感じさせずに気さくにイベントの中心となって盛り上げてくださった上橋さん、ありがとうございました。

          2つのイベントとも、記憶力で書きましたので、ニュアンスなど実際と異なっている点も多々あるかもしれません。文責はすべて、のぶにあります。
          また、イベントに参加されていて、ここは違う、こういう書けるエピソードをおぼえているという方がいらしたら、どうか指摘、フォローをお願いします。

          のぶ
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          「茜さんと琳陽さんのレポート@岡山の講演会」をいただきました

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            「茜さんと琳陽さんのレポート@岡山の講演会」をいただきました。楽しい漫画入りです。どうぞご覧ください。茜さん,琳陽さんありがとうございました。

            「物語の魅力 ――守り人シリーズを書くまで――」講演会レポート




            11月11日、岡山県立図書館にて上橋先生の講演会が開催されました。

            「本・魅力再発見」という企画の第1回で、上橋先生は「物語の魅力 ―守り人シリーズを書くまで―」という題でお話をされました。

            参加した者として、講演会の様子を、簡単ですが、レポートさせていただきます。

            今回は、主に「子ども時代から作家になるまで」の道のりについてのお話でした。

            詳しい内容はアップしない、という「お約束」がありますので、キーワードをいくつか挙げつつ、私の感想を挟んでいきます。

            ・「活字中毒」…小さい頃から本がお好きだった、ということを裏付ける、様々なエピソード。

            ・「口承文学」…お祖母さまが語ってくださったという、昔話のことについて。こうしたところから受けた影響が、『狐笛のかなた』などの源流にも関わってくる、というようなお話。

            お祖母さまが語られたという「ヤマネコの話」を披露してくださいました。

            ・「強いじいさん」…じいさんが強いのって、かっこいいですよね、という話。

            「守り人」で、老人がやけに元気な理由がわかった気がします(笑)。

            ・「ウルトラマン禁止令」…上橋先生、ウルトラマンがお好きだったそうです。「男の子が」好きな(笑)、TV番組の定番ですね。

            ・「店員さん公認」…学生時代に通い詰めたという、本屋さんでのエピソード。

            さすが本好き! と感嘆しました。

            ・「死への恐怖」…誰もが一度はとらわれるであろう、「死への恐怖」と「生きることの虚しさ」。それと直面したときに、出会った本のこと。

            「守り人」が、なぜあれほど私たちの心を掴んで離さないのか。――それは、上橋先生が「生」「死」といった問題から逃げずに、きっちり向き合ってこられたからなんだろうな、と思いました。

            ・「グリーン・ノウ」…『グリーン・ノウ物語』に憧れて、イギリスへ行かれた、という話。作者・ボストン夫人とのエピソードも話してくださいました。

            ・「漫画家になりたかった」…という話は、結構有名ですよね。どうして漫画家でなく作家を選んだのか。いかにして文化人類学にたどり着いたのか、という、学生時代の紆余曲折のお話。

            ・「ケルトはだめ」…なぜアボリジニの研究をされることになったのか、というお話。

            デビュー作『精霊の木』を書かれたときのことや、デビューが決定された頃のこと、編集さんとのやりとりのことも、交えながらのお話でした。

            ・「『守り人』誕生」…『月の森に、カミよ眠れ』を書かれた後、『精霊の守り人』を書くに至るまでのこと。

            「守り人」誕生にまつわる、有名な「バスの話」こそ出てこなかったものの、『精霊の守り人』を書かれた背景にあった思いを知ることができました。

            「魅力ある物語を書きたいという思いを持って、これからも書き続ける」というような話で、いつの間にか時間終了でした。本当にあっという間でした。

            この後、質問コーナーが設けられました。

            ・バルサはなぜ、剣ではなく短槍を持つのか?

            ・「守り人」世界の、トイレはどうなっているのか?

            ・シュガのアルサム(天道ノ守り札)は、どのような物なのか?(大きさ、材質は? 表面には何か書かれているのか?)

            ・「物語自身の魅力」とは、どのようなものであるのか?

            ・物語を作るとき、文化人類学を意識するのか?

            ・作品はいつ書いているのか?

            ・アニメ化はどんなふうになるのか? 原作者としてどのようにとらえているのか? また、次の作品の構想は?

            といった質問が出ました。

            ちなみに私の質問はアルサムのやつです。『蒼路の旅人』で重要なアイテムなのに、どうも具体的イメージが掴めなかったので、どうしてもお聞きしてみたいと思っていたのです。少々マニアックでしたが(^^;)。

            この後、講演自体は終了し、サイン会がありました。

            私は『精霊の木』にサインしていただきました。

            今回、7月のジュンク堂でのトークセッションの時より、年配の方が多かったような印象を受けました。でも会場の雰囲気から、皆様、「守り人」をお好きで来ていらっしゃるのだなぁ、と感じました。

            上橋先生のお話の面白さに、始終笑いが起こるという、和やかな雰囲気の講演会でした。

            毎週のように講演会、イベントなどをこなされている上橋先生にとっては、岡山まで来るのはとてもハードだったと思います。でも、ファンにとっては至福のひとときでありました。

            上橋先生におつかれさまです、と申し上げると共に、心からの感謝を捧げます。

             2006年11月11日   茜

            追記

            講演が始まる前に、掲示板の方で来るとおっしゃっていた、琳陽さんと那柚さんにお会いすることができました。

            また、サイン会が終わった後も、少しだけ上橋先生とお話しすることができました。(今回も厚かましく、先生へのラブレター(笑)と切り絵をプレゼントさせていただきました。)この前1回しかお会いしたことがないのに、顔を覚えていてくださったのが、すごく嬉しかったです(^^)。

            また機会があれば、ぜひ上橋先生の講演会に馳せ参じたいと思います。

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            11月11日に、岡山県立図書館で行われた、「物語の魅力 ――守り人シリーズを書くまで――」講演会。私も参加してきました。
            私がマンガを、茜さんがレポートを担当すると言うミッションでしたが、私も印象に残ったことを短く書きたいと思います。

            まず、上橋先生はとってもお話上手な方でした。
            会場に笑いの渦が沢山発生して、始終和やかな雰囲気に包まれていて。
            講演は90分間だったのですが、一瞬で時間が過ぎ去っていったように感じました。
            私が一番印象に残ったのは、先生の「物語を書く」ということに対するスタンスです。

            上橋先生は、物語を「子どもに何かしらのテーマを伝える物語」ではなく、「物語そのものが力を持っている物語」を書くことに、信念を持っておられました。
            「物語そのものが力を持っている物語」...。まさしく、<守り人>がそうだと思います。
            私を含め、<守り人>に魅了された人たちは、その力にに呑み込まれたんだ!と感じました。

            講演会は、他にも沢山のエピソードが語られており、とても充実した、至福のひと時でした。

            琳陽
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            Oshimaさんから,アニメ化徹底トークイベントのレポートをいただきました。

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              Oshimaさんから,アニメ化徹底トークイベントのレポートをいただきました。とても詳しく書いていただいています。おそらく,必死にメモをおとりになったのではないかと思います。Oshimaさん,ありがとうございました。また,ところどころ上橋さんが補足を入れてくださっています。上橋さん,ありがとうございました。(色分けなどは管理人が行いました。)

              (以下,Oshimaさんのレポートです。無断引用・転載はお断りします。Oshimaさんへのメッセージは,掲示板などにどうぞ。)

              −神山監督は今回なぜファンタジーを選ばれたのでしょうか?
              ファンタジーは基本的にはアニメ向きではないと思うんですが、上橋さんの作品の世界に惹かれたから。

              −この番組は、3月に放送することになっているんですが、どれぐらいの長さにするかはまだ決まっていないんです。ですから、皆さんの盛り上がり具合で長さを決めようと思います(笑。一気に和む会場の雰囲気 それまでは静かすぎたようです^^;)

              ―上橋さんがアニメ化を今回了解したのはなぜ?
              ファンタジーを作っていく力がアニメにあるか疑問でした:生き物のいる世界、マスとしての大勢のいる社会や生活感のある世界、そしてその中で生きる「人」としての主人公を描いてほしかったので、今まではアニメ化を断ったこともあります。けれど、神山監督ならそれができると感じたので了解しました。また、攻殻機動隊stand alone complexのファンでもあるので(笑。

              −神山監督の原作の印象は?
              バルサが素子に似ている(笑。アジア風な世界で生きる人々が魅力的。それぞれのキャラにも惹かれました。また、弁当屋などがあったりして、血の通った人間がいると感じさせるところが良いですね。お弁当屋があるって言うことは、食べ物が豊富にあるって言うことだな、とか想像できて。30代のおばちゃんが主人公だと言うのが新鮮でもあります。

              上橋飛び入り:この神山監督の発言って、とても大切で、彼は「架空の世界だからと、人の生活がどう成り立っているかを考慮していないファンタジー」が好きではないそうなのです。(このあたり、私も同意見なのですが)。で、弁当屋という商売が成り立つためには、食糧を商品として流通させることができるほど食糧生産効率がいいことを示していて、かなりの人口を維持できる、成熟した社会なんだなとわかるから、そこから「社会の規模」みたいなものを想像した、という主旨のお話だったんです。去年、IGに伺って、行っていたミーティングで、こういうお話を、ずいぶんしました。おもしろかったですヨ。

              ―上橋さんの「精霊の守り人」にはどのような背景が?
              レンタルビデオに付いている映画予告で、炎上するバスからエキストラの太ったおばちゃんが男の子の手を引いて降りてくるところを見て、「中年の女性が男の子を守る話を書こう」と思ったんですよ(笑。それも、「あ、この男の子はこの人の子供ではないな」と感じたので、血のつながらない子供を守る女用心棒の話にしたんです。しかも、バルサは、いつもは子供を助けるような人物ではないんですね。やむを得ず(?)助けることになってしまった、という設定で書きたかったんです。

              上橋飛び入り:あ、ごめんっ! そうなんですが、ちょこっと補足させてもらいますね。確かに、そう言ったんですけど、これは、神山監督の「自分が十歳ぐらいの他人の子どもを、急に預けられて育てることになったらと想像すると、とても大変なことだと思う」という発言を受けて、私が、バルサは、いかにも人が良くて母性豊かだと自分で自覚しているようなタイプの女性ではないのだけれど、突然子どもを預けられたことで、生まれるドラマに面白さがあって、血の繋がった親子の情ではないのに、命がけで人の子を守る、そういう話を書きたかった、と答えたんだと思います。

              −上橋さん特有のカラーはどこから来たのですか?
              トールキンの「指輪物語」は、ヨーロッパのイメージが強いですけど、もしもその舞台がアジアであったならどのような世界になるのかと考えました。アジアといっても、大分バラエティーに富んでいるので、イメージの広がりようがあると思って。ヒマラヤだとか、中国、インドネシアだとか。ちなみに、ヨゴのイメージソースは日本です。

              神山監督のコメント:アジアのごた混ぜではなく、ただの時代劇でもないようにしたいと考えています。

              −神山監督はどのように守り人の世界を描こうとしているのか?
              ベースは日本だけど、道具などは形を少し変えて、どこの国のものでもないような感じにしています。でも、道具の形を変えてみると、「あ、これ、中国っぽい」(笑 とかいうことになって、(どこの国の雰囲気でもないようにするのは)意外と大変です(笑。食べ物にも、力を入れています。
              あと、バルサのどんな泥臭い方法をとっても生き延びるずる賢さを描きたいですね。バルサが(攻殻機動隊の)素子と違うのは、そういうところですね。素子は、自分のプライドを守るためなら死ぬようなキャラですけど、バルサは、どんな手を使ってでも生き残って見せるような人物ですから。
              (ここらへんでノギ屋の弁当、その他諸々の食べ物の設定画が出されました。かなり細かいところまで決められていたのが印象的です^^。例:ネギと豚肉(?確か)をタレでからめたもの)。

              −脚本化していく作業についてお話を−
              小説であれば、だれも見ていないところにもカメラが入っていけるんですが、アニメではそう簡単にはいかない。ほとんど誰もその存在を知らないはずの狩人にカメラをどう当てるかが問題です(笑。

              −神山監督はどこにこだわったのか?
              脚本は時間を書くもの。キャラクターの考えていることや心理状況が重要なんですよ。たとえば、一度死にかけた人間が吐く台詞はどのようなものか、とか、(死にかけた状態からの心の)回復の早さとか。

              プロモーション映像の上映

              ここで作画監督の後藤さん登場

              −作画監督とはどのような仕事か?
              原画をまとめ、動きをチェックし、全体のバランスを見る作業。

              −アニメのバルサは30歳の女性にしてはデザイン的に若く見えるが?
              「若いと思った人は手を挙げてみてください」→かなりの人が挙手 (笑
              後藤さん:バルサは自分にとって野球選手のイチローのようなイメージです。最近の30代の人はかなり若く見えるし、バルサは自分なりにまだ成長し続けているキャラだから自分としては納得の行くデザインだと思っています。

              上橋飛び入り:イチローの話をしたのは、後藤さんじゃなくて、神山監督でありました。なんでイチローが出てきたかというのが面白かったので、補足させてくださいね。まず、一つ目は、バルサの身体能力(一度見た動きを正確に自分のものにできる)というのを読んだとき、イチローの逸話を思い出して、ああ、そういうタイプの人間なんだなとイメージした、ということ。二つ目は、イチローも三十過ぎているけど、若く見える、と、つぶやいておられましたね。(笑)

              設定画の紹介−タンダ、チャグムなど。

              −最後に見所を−
              後藤さん:絵、生活感、アクションなどが見所です。

              −上橋さんはアニメのどんなところに期待しているのか?
              原作をすでに読んでいる人でも、原作を忘れてアニメの世界に浸ってしまうような作品を期待しています。

              −神山監督からファンの方々へ薦める作品の見方は?
              人間の住んでいる世界だと感じてもらえるような世界を目指しているので、そこを見てほしいですね。

              最後に質問の場が設けられて、3人ほど質問をしていらした方がいましたが、そのうち2人の方の質問しかメモできませんでした…。

              質問1:ヨゴ人とヤクーの違いが設定画の時点では内容に見えるが?
              神山監督:肌の色や衣服の模様などを違えていますから、実際に映像を見られればわかると思います。

              質問2:上橋さんは守り人のどのキャラが好きか?
              バルサももちろん好きだけれど、すべてのキャラが好きです!というより、好きじゃないと書けないです(笑。いけ好かないキャラも出てくるけれど、やっぱり全員が好きです。

              今回は、プロモーション映像も公開されました。私個人の感想としては、大分予告映像と雰囲気が違っていたのが印象的です。皇子救出のシーンの、バルサの躍動感が、文章ではなく映像として見られて眼福でした^^。また、オリジナルのシーンもちらりと…バルサがチンピラ(?)に絡まれてるような場面がありました。その後の展開を4月に見るのが楽しみです^^。正直に言いますと、全体的に自分の想像とは全てが違った雰囲気なのですが、それがまた新鮮で良かったです^^。見所は、やっぱり文章では、想像はできても肉眼で見ることのできない、アクションシーン、そして食べ物のシーンでしょうね(笑。トークの中で一番印象に残ったのは、ノギ屋の弁当及びその他諸々の食べ物類の設定画かもしれません(笑。

              上橋飛び入り:oshimaさん、すごい! あの、四方八方に話が飛んでいくトークを、これほど見事にまとめていただけて、感激です。大変だったでしょう。どうもありがとうございました。
               ちなみに、あの映像の中でバルサに絡んでいるのは、チンピラじゃないんだな〜(笑)本編をお楽しみに! というか、本編御覧になった後で、一緒に「そうだったのか〜!」と笑っていただけるとうれしいです。
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              宮崎市の講演会感想

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                上橋さんを知ってから数年。いつかは講演会に行きたいと思っておりました。ようやく,上橋さんのお話をうかがうことができました。車を2時間半飛ばし,会場には30分前に到着。すでに手足が震えてどきどきのとっても怪しいおばさんと化しておりました。

                さて,開場の時間になりました。はやる思いを抑えつつ,チケット購入。講演会が始まる前にちょっとだけ上橋さんとお話することができました。ああ,思い返すも恥ずかしい私の第一声ときたら。。。
                「思ったよりも小柄な方なんですね。」
                本当に失礼な私の言葉にもニコニコと応対してくださった上橋さんでした。

                会場に入ると背面の壁に「守人・旅人シリーズ」の大きなカラー地図が!うわー,すごい。これは,後で写真にとっておこうと思いつつ,席を探しました。前から4番目くらいの中央の席をGET。周りを見回すと,中高生,私と同年代の女性の皆さん,そして驚いたことにご年配の方も大勢!上橋さんのファン層の厚さを実感しました。

                さて,いよいよ講演が始まりました。ちょっとしたトラブルもすかさず笑いにかえるところは流石です。ユーモアを交えた温かいお話には,つい会場からも笑い声が沸きあがります。特に私の目の前に座っていた小学生のお嬢さん。上橋さんが語るエピソードに,体の底から笑っていて,こちらも楽しくなりました。斜め前に座っておられた年配の女性は,上橋さんが語るイギリス児童文学にしきりに頷いておられました。質問タイムもあり,小学生・中高生の質問にも真剣に答えておられました。会場全体がお話に引き込まれる素晴らしい講演でした。

                講演会の後のサイン会では,何とサイトに遊びに来てくださっていた「ひびきさん」ともお会いすることが出来ました。NET上の上橋さんファンにお会いするのは初めてでしたので,とても嬉しいでした。ひびきさん,声をかけてくださってありがとう。

                講演会の後にお食事会があり,光栄にもさそっていただきました。「宮崎子どもと本をつなぐネットワーク」の皆さんは,本当に本が好きで,上橋さんが好きで,今回の講演を企画されたそうです。気さくな上橋さん,優しいネットワークの皆さんといろいろなお話をして,大変楽しい一時でした。前述した「守人・旅人シリーズ」の大きなカラー地図は,ネットワークメンバーのうち3名の方が作られた手作りだったそうです。私は,てっきり出版社の販促モノかと思っていたのですが。素晴らしい出来に驚きました。上橋さんも,大変喜ばれて最後に地図に短槍のイラスト入りサインを書いておられました。(写真は地図を描かれた方と上橋さんです。上橋さんは,右から二番目。黒いセーターです。)

                今回,このような企画をしていただいた「宮崎子どもと本をつなぐネットワーク」の皆さん,宮崎まで来てくださった上橋さんに大感謝です。

                *写真は許可を得て掲載していますが,不都合がありましたらご連絡ください。

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