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『精霊の守り人』と「守り人シリーズ」の実写ドラマ化について

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    何と!!『精霊の守り人』と「守り人シリーズ」の実写ドラマ化されます!!
    この件について、上橋さんからメッセージをいただきました。(引用・転載はしないでくださいね)


    読者のみなさんへ
    ――『精霊の守り人』と「守り人シリーズ」の実写ドラマ化について――

     いつも、守り人シリーズを楽しんで読んでくださって、どうもありがとうございます。

     なんと、『精霊の守り人』から『天と地の守り人』までの守り人シリーズ全十巻が、実写ドラマ化されることになりました。
    読者の皆さんには、私が、なぜこのお話をお受けしたのか、自分の言葉でお伝えしたいと思いまして、白井さんと由良さんにお願いして、ファンサイトに載せていただくことに致しました。

     制作はNHKエンタープライズ。『精霊の守り人』から『天と地の守り人』最終巻までの物語を、平成28年春から3ヵ年にわたって、全22回、4Kでの実写ドラマとして放送する予定です。
     主役であるバルサを演じるのは綾瀬はるかさん。脚本は、大河ドラマ『風林火山』や、日本テレビの『悪夢ちゃん』などを手掛けた大森寿美男さんが担当してくださいます。

     私が、この企画をお受けした大きな理由は、『精霊の守り人』だけでなく、シリーズ全巻の物語を「ひとつの物語」としてドラマ化してくださる、ということにありました。

     これまでも『精霊の守り人』の実写映画化の話などは、いくつか頂きましたが、シリーズ全体を「ひとつの物語」として描きたいと提案してくださったのは、今回が初めてで、それを聞いたとき、すっと目の前が明るくなったような、新鮮な驚きを感じました。それは実現したらすごい、見てみたいな、と思いました。

    私は、「守り人シリーズ」は、シリーズ全体で大きなひとつの物語としての骨格を持っていると感じています。
     『精霊の守り人』では、守られる対象であった幼い少年が、やがて、自らが他者を守る大人へと成長していく、そして、彼を守った女用心棒のバルサもまた、大きな心の変容を経験していく……そういう物語でもあるのだ、と。
     国と国との関係なども、『天と地の守り人』まで書いて、はじめて、きちんと意味をもつものとして立ち上がってきましたし、全体を通して読んでいただかなくては、本当の意味で、守り人シリーズの姿を捉えていただくことはできないだろうな、と感じていました。

     でも、全十巻にもなる異世界ファンタジーの長編を実写化するのは、とてつもなく難しいことですから、不可能なのではないかしら、と思っていたのですが、大河ドラマで培ったノウハウを活かし、『坂の上の雲』を三年かけて描いた方式で、長い年月をかけ、じっくりとドラマ化したいのです、と言われて、なるほど、その形であれば可能かもしれない、と思うようになったのです。
    それにしても、超大型企画なので、制作発表をしたいまもまだ、なんだか信じられない気もしています。(笑)

     私は十代の頃、NHKが制作した『シルクロード』を観て、遥かな西域に憧れました。
    『シルクロード』のあの風景や民族、文化、生活を描写した感覚で、さらにはNHKスペシャルや大河ドラマ、あるいは私が大好きな藤沢周平の時代小説のドラマ化などの様々な作品の、あの作り方で、守り人シリーズを描いていただけたら、『ロード・オブ・ザ・リング』とは、また方向性の違う、これまで見たことのない、日本発ならではの「大河ファンタジー」の世界が生まれてくるかもしれません。

     配役に関しては、誰がどの役を演じても、必ず「イメージとは違う」という方がおられるでしょう。これは、仕方がないことです。私のバルサのイメージと、読者おひとり、おひとりのバルサのイメージもまた、完全に同じではないわけですから。

     ただ、主役のバルサを演じる方については、私はひとつ、これだけはお願いしたい、と思っていた条件がありました。それは、身体能力の高い方に演じていただきたい、ということでした。

     バルサのあの短槍での闘いを描くには、どうしてもCGが必要になるでしょうが、たとえ部分的にCGを使うとしても、基本的には生身で徹底的に短槍での武闘の訓練を積み、美しい所作で滑らかに演じられる人にやっていただきたい、と思っていたのです。

     今回のお話がくる以前から、あちらこちらの映画・ドラマ制作関係者から、綾瀬さんは、とても身体能力が高い、という話を聞いていました。役を得たら、徹底的に身体を鍛える方だから、殺陣をやるときも、本気でやると相手役を傷つけてしまう可能性があるので、少しスローにしてもらったほどだ、という話を聞いたこともありました。

     今回、綾瀬さんは、バルサに成るために、徹底的な訓練をする計画をたてておられる、と聞いています。
     実際に撮影が始まるのは来年で、撮影が終了するまでには数年かかりますから、綾瀬さんは、いまよりも年齢を重ねていきます。
     少し年をとった綾瀬さんは、きりっとした少年のような面影と、幼い男の子を温かく愛する母のような優しさの両面をもった、良い意味で、ふわっとした「幅」のあるバルサを演じてくださるのではないかと感じています。

     新ヨゴ、カンバル、ロタ、サンガル、そしてタルシュ帝国……「ファンタジー」と聞いてイメージするような風景とは、また少し違う、生活感のある、それでいて、多様な民族文化の美しさや驚きに満ちた物語世界を描いていただくために、私も、一生懸命ドラマ化に向き合っていこうと思っています。


     ところで、先日『特報首都圏』で「大人を魅了する児童文学―上橋菜穂子の世界―」という番組を放送していただきましたが、この番組は、今回のドラマ化とはまったく関係がありません。

    『精霊の守り人』のドラマ化については、28日の制作発表まで、NHK局内でも関係者以外には極秘となっていて、他に漏れないよう、細心の注意が払われていました。

    『特報首都圏』のあの回を作ってくださった方々は、「守り人シリーズ」のドラマ化企画についてはまったく知らずに、国際アンデルセン賞受賞の報道として以前放送された「首都圏ネットワーク」の特集では伝えきれなかったことを伝えたい、という思いから、あの番組を作ってくださったのです。

     同じNHKだから、ドラマ化の宣伝のために作ったのでは? と思われてしまったら、あの番組を物凄い熱意で作ってくださったスタッフや快く番組に協力してくださった方々に申しわけないので、この場をお借りして、その点は明確にしておきたいと思います。

     大河ファンタジー『精霊の守り人』の放送が始まるのは再来年。
    まだまだ遠い道のりで、これからたくさんの山坂を越えねばなりませんが、良い作品になるよう、私も一生懸命に努めますので、温かく見守っていただければ幸いです。

    上橋菜穂子
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    再放送ですが...。お知らせします。
    [ 番 組 名 ] インタビュー ここから「児童文学作家・上橋菜穂子」
    [チャンネル] 総合
    [ 放送日時 ] 2014年9月24日(水)午前3:28〜午前3:51 [23日(火)深夜](23分)
    [ 地 域 ] 東京
    Comment by nakken | 2014/09/21 8:18 AM