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『狐笛のかなた』文庫化&イベントについて

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    『狐笛のかなた』文庫化&イベントについて

     拙著『狐笛のかなた』の新潮文庫版が発売されることになりましたので、お知らせ致します。すでに、この情報をネットに挙げてくださっている読者の方がおられて、特に、表紙などについて気にしておられましたので、由良さんと白井さんにお願いして、このメッセージを挙げていただくことにしました。
     新潮文庫版の『狐笛』の表紙や地図は、理論社版とは異なります。変えていただいた理由は、白井さんのあの美しい絵を、文庫版に縮めてしまうと印象が変わってしまってもったいないということがひとつ。
    それから、皆さんもご存知の、あの理論社版の『狐笛のかなた』の美しさは、「書籍」としての美しさ――表紙や挿画、見返し、装丁、すべてが一体となっている、白井さんとブックデサイナーさんと編集者さんの作品としての美しさ――なので、文庫本にするときに、その一部を取り出した本作りをしたくない、という思いがあったということもあります。
     文庫版もまた、美しいです。発売したら、ぜひ、みてやってください。その美しさは、「文庫」という形ならではの絵にしていただいたからこそ生じてきた美しさだと思っています。
     親本も文庫本も長く愛されてほしいというのが、私の偽らざる気もちで、そのためには親本と文庫本の表紙をそれぞれの形に一番あった装いで出していただくのが最良の方法だと思ったのです。

     文庫本は、子どもが親に頼らず、自分のお小遣いで買うことができる本です。自分の欲しい物語を、初めて、自分で選んで買った、あの瞬間の喜びを、私はいまも覚えています。そういう意味で、私は、拙著が文庫になることを、とても幸せなことだと感じています。

    ジュンク堂での朗読会について
     こちらは、「幸せ」というより「ど〜しよ〜」と悩んでいることなのですが……朗読会。ご存知の方はご存知だと思いますが、ジュンク堂での新潮文庫発売記念朗読会は単発ではなく、10月には、『家守奇譚』を新潮文庫で出された梨木さんが朗読会をなさり、11月には『十一月の扉』を出される高楼さんが朗読会をされます。そんで、私が12月……。
    私、朗読なんてしたことがないのです。しかも、『狐笛のかなた』は長編。『家守奇譚』の朗読は、あの味わい深い短編を、ひとつ、ふたつと選んで読まれたそうですが(聞きたかった!)、私の場合は、さて、どーするかと、思案中であります。
     思案投げ首状態のままの登場ということになるかもしれませんが、それでも、聞いてやろうという奇特な方がおられましたら、ぜひ、ご参加ください。会場は、それほどスペースが広くないので、参加可能な人数も少ないと思います。和気藹々とやれる感じでしょう。
    それではでは!
    上橋菜穂子

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